2024年度の目標【カウンセリング編】

カウンセリング

みなさんこんにちは、公認心理師のだびでです。現在は、私は精神科病院でカウンセリング業務を行っています。2023年度は1年目ということもあり、カウンセリングの一回一回にも緊張していました。私なりに考え、悩み、関わり、SVを受け23年度を通して知識不足や経験不足をひしひしと感じました。今回のブログでは23年を振り返り、2024年度の具体的なカウンセリングについての目標を設定したいと思います。

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認知行動療法

厳密にいうとカウンセリングと認知行動療法は異なる部分もありますが、患者様と1対1で関わるということに変わりはありません。しかし、私の中で優先順位が高いので一番最初に書かせていただきました。

私の働いている病院ではうつ病患者様を対象にした認知行動療法を行っています。2023年度に認知行動療法のケースは担当しませんでしたが、今年度から私も携わることになったので本格的に勉強したいと思っています。

自分に認知行動療法をやってみる

ありがたいことに私の周りには認知行動療法に詳しい先生が数人いらっしゃいます。大学院生の時に一人の先生が「まずは自分の生活で認知行動療法を使えるようになることが大切だ」と話してくださいました。確かに、どんな技法も自分ができるようにならなければ人に伝えることもできません。認知行動療法は誰でも学べば使えるように構造化されてます。そして、患者は約16回の認知行動療法のセッションが終わった後は一人で認知行動療法の考え方を駆使して生活できることが認知行動療法の目標の1つになっています。

そのため、2024年度はまず自分に対して認知行動療法をやってみようと思います。日本には自分でできる認知行動療法の本がたくさん出版されています。それらの本を購入しつつ自分に対して認知行動療法を行って練習しつつ認知行動療法のコツをつかみたいと考えております。

うつ病の認知行動療法

認知行動療法は疾患別にセッションが構造化されています。その中でもうつ病の認知行動療法は書籍はもちろんのこと認知行動療法は動画やPDFデータでも専門的な資料が豊富にあります。それらを用いた基礎的な勉強をしてたいと考えています。また、現在はジュディス・ベックの「認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで」第3版の輪読会(読書会)にも参加して勉強をしています。

職場では認知行動療法を行っている先輩心理士や医師がいるのでわからないことや知りたいことはどんどん質問していきたいと思います。

アセスメント能力の向上

2023年度はカウンセリング後に先輩に相談したり、SVを受けたりするたびに患者様をアセスメントする重要性が身に染みて感じました。認知行動療法では概念化が上手くいっていれば治療がほぼ成功していると言われています。同じようにカウンセリングでもアセスメントしてクライエントと関わることが重要だと感じています。

アセスメントには様々な側面がありますが、2024年度は

  • 精神医学的側面の理解
  • 社会文化的背景の理解
  • 発達的側面の理解

の3つを軸にアセスメント能力の向上に努めていきたいと思います。

精神医学的側面

病院のカウンセリングは主治医の指示によって開始されます。そのため、カウンセリングを実施する患者様の多くはうつ病、適応障害、発達障害、パーソナリティ障害といった診断がされています。

疾患名や症状については、大学院の学びや公認心理師試験の勉強によって基礎的な知識は備わっていると思います。しかし、いざ自分が関わると今まで体験してこなかった精神疾患患者様のリアルを感じて戸惑ったり、本人の語りが精神医学的な特徴であることを見逃していたり、精神疾患の特徴を含めずに関わろうとしてしまうこともあります。

そのため、患者様に関連するICD-10(世界保健機関が定めた疾病分類)やDSM‐Ⅴ‐TR(米国精神医学会が作成した精神障害の診断と統計マニュアル)などの資料を読み込み、精神医学的に患者様がどのような状態なのかをアセスメントしながら関わっていきたいと思います。そして、精神疾患に関する書籍を購入して2023年度よりもさらに患者様の利益になるようなカウンセリングを行うことを目指していきます。

社会文化的背景

今の職場は決して都会とは言えない場所にあります。また、私の地元や過ごしてきた場所とは異なる地域です。もちろん、私はまだ20年ちょっとしか生きていませんし、患者様の中にも異なる地域から越してきた方々もたくさんいます。そのような意味でも患者様には価値観や慣習が異なる方がたくさんいます。患者様の語りには私の知らない世界が広がっています。

カウンセラーがわからないことは患者様に教えてもらうというのも一つのカウンセリングの形であり、大切な視点です。しかし、患者様への適切な配慮やアセスメントのために生育歴を確認しつつ、特徴的なものは調べながら患者様のストーリーをアセスメントすることを意識していきたいです。

発達的側面

カウンセリングを行っていると発達的側面はカウンセリングにおいて非常に重要だと痛感します。誰でも発達プロセスを経ているので当たり前ではありますが、患者様がどのような子どもでどのような環境でどうやって生きてきたのか、現在はどのような発達段階にいるのかという側面は非常に重要だと感じています。

エリクソンのライフサイクル理論、分離‐固体化理論、潜伏期やエディプス・コンプレックスといった精神分析学の理論もアセスメントする上でさらに学びを深める必要があると考えいます。また、ケース検討会で幼児期の母親との関係を愛着理論も重要になるケースを勉強したので愛着理論についても学びたいと考えています。

発達的側面についてのアセスメントはカウンセリングでクライエントと時間をかけて話し、情報収集できる心理士の強みでもある思うのでしっかり知識を身に付けたいと思います。

カウンセラーとしての基本的態度についての勉強

2023年度専門家として私の可能な限りのカウンセリングをしていきました。しかし、カウンセリングは奥深く、やはりカウンセラーとしての基本的な態度についてはまだまだ勉強が必要だと感じる1年でした。そのため、2024年度も引き続きカウンセラーの基本的態度について勉強していきたいと思います。

ロジャーズの中核三条件の理解

大学院生の頃の指導員はPCA(パーソンセンタードアプローチ;ロジャーズの理論を中心としたアプローチ)の先生でした。また、大学院の講義でもロジャーズの理論を中心にロールプレイをして傾聴を学びました。大学院の学びは私の心理士としてのアイデンティティを形成し、アプローチ方法よりもまずはカウンセラーとしての基本的態度の大切を教えてくれました。

そのため、私はカウンセラーの基本的態度を身に付けるためにはロジャーズの理論を学ぶことが非常に重要だと考えおり、カウンセリングの勉強をする際には優先していきたい理論です。今後も専門書を読み、自身のカウンセリングを振り返り、ロジャーズの理論を中心としたカウンセラーの基本的態度を研鑽していきたいと考えております。

カウンセリングの著書

もちろん、ロジャーズの理論のみがカウンセラーとしての基本的態度とは思っていません。

今、気になっているのは河合隼雄の著書です。2024年度になってから日本人の心理士といえば河合隼雄だろうという単純な思考から「カウンセリングを考える上」を読みました。本書は温かみとユーモアがありつつも臨床的で納得してしまう語りでカウンセラーとして大切な心構えや態度が秘められていると感じられました。河合速雄の本をもっと読んで心理士としての思考をインプットしたいと思います。

また、「カウンセラー」とかカウンセラーの基本的な態度を”傾聴”としてまとめている著書もあれば、”技術”としてまとめている著書もあります。これらの著書も読みながら理解を深めて、実践していきたいです。 また、大学院では理論に縛られない効果的なカウンセリングの態度・技法をまとめた「マイクロカウンセリング」から学分授業がありました。実習先の医師にもマイクロカウンセリングの本を借りたきおくかはかか゛あります。人に教えてもらった程度の知識なのでぜひ自分でも読んで勉強したいと考えております。

まとめ

以上を目標にして、2024年度はカウンセリング業務を精一杯やっていこうと思います。書いているうちに2024年だけではおさまらないんじゃないかというほどの目標になってしまったが気がします…。

まずは直接業務として初めて行う認知行動療法の勉強は必須だと思っています。他の目標は実際にカウンセリング業務を行いながらじっくり勉強していきます。

私は「完全なかカウンセラーの態度を習得した」と思った時点で専門家では無くなると思っています。心理士になったからには生涯学習して可能な限りカウンセリングの幅を広げ、深めていきたいと思っています。

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