【感想・考察】インサイド・ヘッド2を見てきました

日記

みなさん、こんにちは!公認心理師のだびでです。

上映開始から随分と立ちましたが、先日滑り込みで「インサイド・ヘッド2」を見てきました。

「インサイド・ヘッド2」を見に行くということでまずは「インサイド・ヘッド」をAmazonプライムでレンタルしてから映画館へ向かいました。「インサイド・ヘッド」も非常に興味深い内容で楽しむことができましたが、今回は面白かったとだけ伝えておきます。

今回は「インサイド・ヘッド2」を見た感想と心理士として感じたことを書いていきたいと思います。

インサイド・ヘッド2のあらすじ

ディズニー&ピクサーが贈る、頭の中に広がるカラフルな〈感情たちの世界〉を描いた、自分を丸ごと愛おしくなる最高の自己肯定ムービー。 子どもの頃から見守ってきた頭の中の感情・ヨロコビたち。ある日、高校入学という人生の転機を控えたライリーの中に、シンパイ率いる〈大人の感情〉たちが現れる。「ライリーの将来のために、あなたたちはもう必要ない」― シンパイたちの暴走により、追放されるヨロコビたち。巻き起こる“感情の嵐”の中で自分らしさを失っていくライリーを救うカギは、広大な世界の奥底に眠る“ある記憶”に隠されていた…。

インサイド・ヘッド2|映画/ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式 (disney.co.jp)

インサイド・ヘッド2の感想(ネタバレを含みます)

「インサイド・ヘッド」と同様にとにかくユーモアが満載でした。さらに、「インサイド・ヘッド2」では、新しく4人の感情が登場して司令部(主人公の頭の中の中心)はハチャメチャでした。展開がスピーディーで楽しい時間を過ごすことができました。上映から時間が経ち、映画館の席が埋まっていないこともあり、あまり周囲を気にせず笑いながら見ることができました。

一方で、主人公の葛藤や成長もしっかり表現されていて、感動的なシーンも丁寧に表現されていました。自分の中学生・高校生くらいのことを思い出して「そういう悩みとかモヤモヤあったなー」と主人公に感情移入しながら観ていました。ディズニーの作品であるため、小さい子どもたちも楽しめますが、そういった意味では大人のほうが楽しめる作品ではないでしょうか。

新しく登場した感情たちで私のお気に入りは「ハズカシ」です。特に「カナシミ」との掛け合いが可愛らしく、印象に残っています。作中でも大活躍しているので皆さんにも「インサイド・ヘッド2」を観て「ハズカシ」の良さを知ってもらいたいです。

心理士としての感想

私は普段心理士として、人の心や感情、性格などを扱う仕事をしています。「インサイド・ヘッド2」は心理学的な観点で見ても非常に興味深いものでした。たくさんの視点から触れたいのですが、まとまらないので今回は1つのポイントに絞りたいと思います。

ライリーのアイデンティティ

作中では、ライリーの記憶と感情から根が伸びた「私は良い人」という花がでてきます。そして、この花は新しい感情たちによって抜き取られて、新しい記憶と感情によって新しい花を咲かせます。この花はおそらく、『アイデンティティ』であると考えられます。

アイデンティティとは

『アイデンティティ』という概念はErikson,E .H. がライフサイクル理論と深く関連しています。

ライフサイクル理論は人生を8つの発達段階に分けて、各段階に獲得するべき発達課題があるとする理論です。『アイデンティティ』はその5段階目である青年期(だいたい13~22歳)の段階に深く関連しています。そして、青年期の段階は「アイデンティティの確立VSアイデンティティの拡散」と呼ばれており、「私とは誰?(Who am I?)」という問いの答えを模索する段階です。「インサイド・ヘッド2」はまさしく、ライリーが「私とは誰?」というテーマへの葛藤が中心である作品だと感じました。

インサイド・ヘッド2でのアイデンティティ

作中では、「私は良い人」というアイデンティティの花から「私は全然ダメ」というアイデンティティの花に変化します。自分自身や環境が変わったことでアイデンティティがネガティブな方向に向いたのです。また、「憧れていたチームのメンバーやコーチからの評価を気にする」,

「強いチームに入ることで自分は強い・大丈夫だと感じようとする」ことも1つの集団に所属意識をもとうとすることでアイデンティティを獲得しようする思春期・青年期の葛藤が表現されています。

そして、「いままでの友達が大切」「新しいチームに所属することが大切」と悩んで「自分とは誰か」がよくわからなくなってしまうことが「アイデンティティの拡散」です。まさしくアメリカの心理学者Hall,G.S.が青年期を「疾風怒濤の時代」と呼ぶ所以であり、「私とはだれか」という葛藤が表現されていると感じました。

最終的に「私はいい人」「私は全然ダメ」「恥ずかしい」などの様々なアイデンティティの花が現れながらも、それがすべて「ライリー(私)である」「ライリー(私)という存在は1つではない」と感情たちが受けれ入れることこそがアイデンティティの獲得の第一歩であることが表現されているのではないかと思います。ライリーはきっと今後、感情たちに支えられながらアイデンティティを模索しつつ元気に過ごしていくのでしょう。

まとめ

今回は「インサイド・ヘッド2」の感想とアイデンティティの観点から私の考察を書きました。映画としてのストーリーも心理学の観点からも楽しめたとても良い作品でした。まだ見ていない方もぜひチェックしてみてください。

3が制作される場合は成人期として恋愛・結婚や就職がテーマになるのでしょうか。どんなユニークな感情たちがでてくるのか楽しみです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました