【無料ツール】責任円グラフ(責任のパイ)|「ぜんぶ〇〇のせい」という思考のバグを見直す攻略シート

黒柴のだびでと読者が、責任を複数の要因へ分けた円グラフを確認するイラスト

※本ページにはアフィリエイト広告を含みます。リンクから商品を購入された場合、当サイトに紹介料が入ることがあります。

仕事でミスが起きたとき、人間関係がこじれたとき。「全部自分のせいだ」「あの人さえいなければ」と、何度も同じことを考えて苦しくなった経験はありませんか?

つらい出来事のあとは、責任を1か所に集めて考えてしまいがちです。けれど実際の出来事の多くは、人・状況・タイミングなど、いくつもの要因が重なって起きています。

このツールは、出来事に関わった要因を書き出して責任を割り振り、円グラフで「責任の大きさ」を目で見て確かめるための無料ツールです。

責任円グラフ(責任のパイ)とは?

責任円グラフ(責任のパイ)は、認知行動療法(CBT)で使われる技法の一つです。罪悪感や恥ずかしさを扱うセルフヘルプの代表的なワークブック『うつと不安の認知療法練習帳』で紹介されているほか、強迫症の「責任を過剰に感じてしまう」考え方を見直す方法としても使われてきました。

ポイントは、いちばん責めている相手(または自分)の責任を最後に決めることです。先にほかの要因へ責任を割り振ってから残りを見ると、最初に感じていた「100%」とは違う数字になることがよくあります。

何でも自分のせいだと考えてしまう思考のクセは、CBTでは「個人化」と呼ばれます。また、結果を知った今の目線で「あのとき気づけたはずだ」と当時の判断を責めてしまうこと(後知恵バイアス)も、責任を大きく感じさせる原因になります。責任を1人に全部背負わせてしまう判定は、心の「バグ」かもしれません。このツールで、その判定を一度見直してみましょう。

→ 思考のクセについては 【公認心理師が解説】思考の癖に気づく|認知行動療法(CBT)で学ぶ10の思考パターン で詳しく解説しています。

こんな時に使えます

  • 失敗やトラブルのあと、「全部自分のせいだ」と自分を責め続けてしまうとき
  • 誰かへの怒りがおさまらず、「あの人が全部悪い」という考えから抜け出せないとき
  • 罪悪感や恥ずかしさが、なかなか消えないとき
  • 「あのとき〇〇していれば」と、過去の判断を何度も責めてしまうとき
  • カウンセリングで扱った内容を、自分でも振り返りたいとき

使い方(7ステップ)

STEP.1 ― 出来事を書く
困ったことを具体的に書き、そのとき感じている気持ち(罪悪感・怒り・悔しさなど)と、その強さを0〜100%でつけます。

STEP.2 ― 関わった人・要因を書き出す
出来事に影響した人や状況を、思いつくだけ書き出します。「自分」のほか、タイミング・時間の余裕・体調・情報不足なども要因になります。

STEP.3 ― 最初の見方を記録する
いま、いちばん責任があると思うものを1つ選び、その責任が何%くらいだと感じるかを記録します。直感でかまいません。

STEP.4 ― ほかの要因に責任を割り振る
STEP.3で選んだもの以外の要因に、それぞれ何%の責任があるかをつけます。残りの分は自動で計算されます。

STEP.5 ― 円グラフで確かめる
責任の配分が円グラフで表示され、最初に感じていた責任と比べられます。

STEP.6 ― 振り返る
気づいたことを書き、責任と気持ちの強さをあらためて評価します。新しい見方と、これからできることも書いてみましょう。

STEP.7 ― まとめを保存する
すべての内容が1画面にまとまります。必要に応じてPDF・印刷で保存できます。

⚠️ 注意:このシートは診断や治療を目的としたものではありません。
あくまで責任のとらえ方を見直すためのセルフケアツールです。症状がつらい場合は、専門家への相談をおすすめします。

▼ 責任円グラフ(無料・ブラウザで使えます)

責任円グラフ(責任のパイ)「ぜんぶ〇〇のせい」を見直す攻略ツール

つらい出来事があると、「全部自分のせいだ」「あの人が全部悪い」と、責任を1か所に集めて考えてしまうことがあります。

このツールでは、出来事に関わった人や状況を書き出して、ほかの要因から先に責任を割り振っていきます。最後に残った分が、いちばん責任があると思っていた相手(または自分)の分です。最初の見方と比べてみましょう。

正解はありません。自分のペースで進めてください。入力した内容はこの画面の中だけで使われ、どこにも送信・保存されません。

※暴力・いじめ・ハラスメント・虐待などの被害について、「自分にも責任があった」と考えるためのツールではありません。そうした出来事がつらいときは、ひとりで抱えずに専門の相談窓口や専門家に相談してください。

    Q困ったことを書く

    そのとき感じている気持ち(いくつでも)
    その気持ちの強さ
    70%
    0 まったくない100 これ以上ないほど強い
    どんなことがあったかを、ひとことでも書いてみてください。

    W関わった人・要因を書き出す

    この出来事に影響したと思うものを、思いつくだけ書き出します。人だけでなく、状況・タイミング・体調なども要因になります。自分も忘れずに入れておきましょう。

    よくある要因(タップで追加)

    Qいま、いちばん責任があると思うのは?

    直感でかまいません。「いちばん悪い」と感じている相手(または自分・物事)を1つ選んでください。

    いちばん責任があると思うものを1つ選んでください。

    Wほかの要因に責任を割り振る

    以外の要因に、それぞれ何%の責任があるかをつけます。の分は最後に自動で決まるので、ここでは考えなくて大丈夫です。

    💡 考えるヒント
    • そのときに、この結果を予測できましたか?(後から分かったことで、当時の判断を責めていませんか)
    • それぞれがコントロールできた範囲はどこまででしたか?
    • わざとそうなるようにした人はいましたか?
    • 同じことが友だちに起きたら、それぞれ何%だと言いますか?
    残り = いちばん責任があると思っていたものの分100%

    ほかにも要因を思いついたら STEP.2に戻って追加 できます(入力した%は残ります)。

    R責任円グラフ

    ▶ 出来事
    最初に感じた
    責任
    ▶
    円グラフで
    残った責任

    W振り返り

    あらためて、いま感じる責任は何%くらいですか?
    50%
    0%100%
    いまの気持ちの強さは?
    70%
    0 まったくない100 これ以上ないほど強い

    自分に責任がある部分について、謝る・やり直す・次に備えるなど、できることを書いてみましょう。思いつかなくてもかまいません。

    Rまとめ

    ▶ 出来事
    ▶ 気持ち
    ▶ 責任の変化
    最初
    円グラフ
    振り返り後
    ▶ 責任円グラフ
    ▶ 気づいたこと
    ▶ 新しい見方
    ▶ これからできること
    🗝 次の一手

    考え方をさらに整理したいときは、認知再構成法シートも使ってみてください。「自分のせいだ」という考えが強く、つらさが長く続くときは、専門家に相談することも大切な選択肢です。

    参考文献
    • グリーンバーガー, D.・パデスキー, C. A. (2017). うつと不安の認知療法練習帳 (大野裕, 監訳; 岩坂彰, 訳; 増補改訂版). 創元社. (原著出版 2016) [Amazon|楽天]
    • Fischhoff, B. (1975). Hindsight is not equal to foresight: The effect of outcome knowledge on judgment under uncertainty. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 1(3), 288–299. https://doi.org/10.1037/0096-1523.1.3.288
    • Kubany, E. S., & Manke, F. P. (1995). Cognitive therapy for trauma-related guilt: Conceptual bases and treatment outlines. Cognitive and Behavioral Practice, 2(1), 27–61. https://doi.org/10.1016/S1077-7229(05)80004-5
    • van Oppen, P., & Arntz, A. (1994). Cognitive therapy for obsessive-compulsive disorder. Behaviour Research and Therapy, 32(1), 79–87. https://doi.org/10.1016/0005-7967(94)90086-8

    ※書籍のリンクはアフィリエイトリンクです。リンクから購入された場合、当サイトに紹介料が入ることがあります。

    ツールを使うコツ

    ほかの要因から先に考える

    いちばん責めている相手の%を最初に決めてしまうと、そこにほとんどの責任が集まってしまいます。ほかの要因を一つずつ検討してから、最後に残りを見るのがこのツールの大切なポイントです。

    「今わかっていること」と「そのときわかっていたこと」を分ける

    結果を知っている今から振り返ると、「予想できたはず」と感じやすくなります。当時の自分(その人)が持っていた情報や、選べた選択肢の範囲で考えてみましょう。

    責任が残っても大丈夫

    このツールは、責任をゼロにするためのものではありません。責任があることと、自分(その人)を丸ごと否定することは別のことです。残った責任は、謝る・やり直す・次に備えるなど、「これからできること」を考える手がかりにしてください。

    被害の場面では無理に使わない

    暴力・いじめ・ハラスメント・虐待などの被害について、自分の責任を探す必要はありません。そうした出来事がつらいときは、ひとりで抱えずに専門の相談窓口や専門家に相談してください。

    関連記事・ツール

    まとめ

    責任円グラフは、責任をなかったことにするためのツールではありません。1か所に集まりすぎた責任を、出来事に見合った大きさに戻していくためのツールです。

    円グラフにしても気持ちがすぐに軽くなるとは限りませんが、「全部ではなかった」と気づくことが、次の一歩につながることがあります。まずは最近気になっている出来事を一つだけ選んで、試してみてください。

    タイトルとURLをコピーしました